AI絵師はクリエイターか?
以前に「AI使ってるやつはクリエイターじゃない」とかチラッと聞いたことがあります。
私も無関係ではないので、あまり触れない方が良い話題ではあると思いつつ考えを述べておきます。
「クリエイターか?」と問われれば結論は「Yes」で、とはいえ多少は条件もある、が正直な所です。
結局程度の問題だと思います。
因みに私自身はどう呼ばれたいかで言うとどっちでも良いです。
「非クリエイター」と言われれば多分どこか差別的なニュアンスが含まれてるので
その意味で言われて嬉しい言葉ではないですが、かといってそれ自体はどうでもいいというか単にアニメキャラのパンチラ画像が作りたいだけなので、その行為をどう呼ばれようがどうでもいいという感じです。
恰好付ける気も、恰好付けない気もなくてどっちでも良いです。
話を戻すと
例えば美容師さんが仮に「AIを活用した全自動散髪機」なるものが出来たとして導入したとします。
電源をONにするとお客さんとAIが対話ができて要件を聞いて、その通りに散髪してくれるというものです。
ただ、「この美容師さんは美容師か?」
と聞かれれば正直うーんとなります。
ただこれが仮に途中でお客さんの状態を見ながらボタンを切り替える作業が必要になると、恐らく知識や専門スキルが必要になります。
そこの調整が加わると何となく、「いや道具を使ってる美容師でいいのでは?」
という感覚になります。
で、AIで画像を作るにも前者のようなほぼ全自動のものもあれば、
後者のように調整が必要なものもあります。
とはいえ完全全自動はほぼ見れたものではなく、公開されてるAI画像はほぼ後者になります。
というのも考えること、決めることが色々あるからですね。
そもそも論として「どのキャラをどういうポーズ、どういう表情、どういうシチュエーションで表現するか?背景は?」
などの情報を、プロンプトに変換する作業が必要です。
そして出来た画像が破綻していることもあって、
所謂「ガチャのやり直し」や「選別」のような作業も発生します。
そこに試行錯誤は必要で、そこの部分はクリエイティブでいいんじゃないかと。
とはいえ絵師さんが何年も練習した後で数日から数週間にわたって描いていたものが、
何のスキルもない人が数秒でポンと出せる世界になってしまったのだから、
感情的な歪みが発生するのも自然だと思います。
とはいえ私も手で絵を描いている側の人間で、
AIが出てきたときは複雑な感情もありました。
ある種の自分の領域が奪われるような。
とはいえそんなことずっと言ってても意味はないですし、
それ以上に感情を切り替えるというよりは「そんな素晴らしい道具が生まれたのだから使わないのは勿体ない」
という感情の方が先に芽生えてきました。
特に私の場合はアニメキャラの再現がずっとやりたかったんですよね。
絵を習っていたのもそのためです。
アニメの1枚絵を観察して、その通りの塗りやその通りの線画、アニメ塗りのベタな感じも好きですし昔からイラストレーターの方には憧れがありました。
それがAIを使うとはいえ実現できるのだから最初に触れた時にテンションは上がりましたね。
pixivで他のAI製作者様の公式そっくりの絵を見た時に「すげー」って。
ここで「程度の問題」という話に戻りますが、
結局絵を描くという行為において、AIがカバーする部分が大きすぎたということだと思います。
従来の絵師様も、「何を表現したい?」という問いから出発して、
構図、表情、背景、(2人以上の場合) キャラの関係性
などのアイデアから実際に時間をかけて作品として落とし込んできたはずです。
ただこのアイデアから形にするまでの長い時間、苦悩はAIによって一瞬で終わってしまいます。
この時間を経験してないことが、「AI絵師はクリエイターではない」という話に発展したと理解してます。
そして私の反論は「アイデア出しはクリエイティブでは?」というところですね。
極論は「クリエイターとは?」という問いに行き着くと思います。
因みに全ての工程を自分1人の手でやるのがクリエイターだとしたら、逆に私はクリエイターではないと思います。遅ければ死活問題になるため、何かしらの道具はみんな使いますからね。デジタルならテクスチャ素材とか。
ピカソは多作で有名ですが(ギネスにも載ってます)、今の時代に生きていたら恐らくAIを活用していたはずです。
その方が自分の作品をより多く世に残せるので。
「作りたい、公開したい」という信念のような感情がそもそもの論点で、AIを使う使わないは議論の範疇外だと思います。
で、作りたいものが多いほど、より高品質を作りたいと思うほど、AIという結論に行き着くはずです。
とはいえなんですが、少しダークサイドも触れておきます。
私自身もCG集を販売してますし、他の絵師様も販売してるのを割とよく見かけます
見ている範囲でではありますが、AIの登場初期で規制される前は「パンチラ画像1,000枚以上!」
のような謳い文句で(従来から見て)安価でCG集の販売がされていました。
実際に買って手に取ってもみたのですが、枚数は多いけどキャラが変わっても
構図とかは似てるのが多くて飽きやすくデッサンが狂ってるのもあり、寧ろ1000枚も見れないよ。。
という感じになりました。
良くも悪くもAIで枚数を稼ぐのは楽なんですよね。
ではこの行為を「クリエイティブか?」と問われると、当時を振り返ると「うーん」という感じでした。
そうなると「アイデア出しはクリエイティブでは?」と言ってたやんと突っ込みたくなるはずです。
言語化を試みると、葛藤や苦悩を感じないからですかね。
結局ゴリゴリに主観的な話になりました。
ここまでの考えを自分なりに整理してみると、
「葛藤や苦悩を感じつつも、作りたい、公開したい気持ちが優先して突き進む」
のがクリエイターでしょうか。
この定義に則れば、私はクリエイターですね。(前述の通りそう呼ばれるか否かはどうでも良いです)
そして結構大部分のpixivにUPされているAI絵師様も当てはまるのではと考えてます。
何もないならそもそもUPしないはずなので。
反AIという立場の人が一定いることは理解してます。
ですがそういう声を上げるよりは自身の作品の向上に目を向ける、
そしてAIは技術、道具であるという観点に立ち返るのが良さそう、
というのが今の時点での整理になります。